「リクルート」とは?【卵胞のバラつき】【採卵】

育つ卵胞の大きさのバラつき

体外受精では、

主に排卵誘発剤(HMG、レトロゾールなど)を使って採卵を行いますが、

育つ卵胞(卵子を包んでいる袋)の大きさに、

バラつきが出てしまう事があります。

1、卵子の質が低下

育つ卵胞の大きさにバラつきが出てしまうと、

卵子の質が全体的に落ちてしまうので、

なるべく卵胞のバラつきはなくさないといけません。

2、大きい卵胞しか採卵できなくなる

ダブル採卵(Duo Stim)が出来れば別ですが、

卵胞の大きさにバラつきが出てしまった場合には、

大きい卵胞しか採卵が出来ません。

1番大きい卵胞を首席卵胞と呼びますが、

この首席卵胞に合わせて採卵しなければなりません。

「1、卵子の質が落ちる」とも共通する内容です。

首席卵胞に合わせてLHサージが始まりますから、

LHホルモンに当たった卵胞はすぐ採卵しないと、

排卵してしまうか、

変性してしまいます。

もしくは、

LHサージが起きないようにする排卵抑制剤(セトロタイド、レルミナ)を使って、

首席卵胞が排卵しないようにしながら、

小さい卵胞が大きくなるまで待ってしまうと、

首席卵胞は排卵はしなくても、

首席卵胞は過熟してしまい、

変性卵となってしまいます。

これらを防ぐには、

育つ卵胞のバラつきを減らす事が対策となります。

卵胞のバラつきが出る仕組み

卵胞のバラつきがでるかどうかは、

前周期(前回の生理)の高温期に決まります。

生理の高温期には、

脳が次の生理に排卵させる卵子を決めます。

この働きを「リクルート」と呼びます。

そして、リクルートで排卵を決められた卵子は、

優先的に大きく育ちます。

ですから、

通常、採卵周期の初め頃、

生理の1日目には、

すでに卵胞の大きさにバラつきが出るようになってしまっているのです。

卵胞のバラつきをなくす方法

育つ卵胞のバラつきをなくすには、

前周期に治療しなければならないという事です。

「リクルート」を止めるには、

前周期にカウフマン療法をします。

カウフマン療法は、

薬の内服を行い、

脳には妊娠したと思わせる治療です。

これを「偽妊娠療法」と言います。

偽妊娠療法で「リクルート」の働きをとめておく事によって、

生理が来たときには、

卵胞の大きさは全てスタートラインが一緒であり、

優先して大きく発育させる仕組みは働いていません。

この状態で、

排卵誘発剤を使えば、

まんべんなく卵胞が発育するというわけですね。

偽妊娠療法の働きのある治療は、

ピルもありますが、

ピルよりもカウフマン療法の方が偽妊娠療法の働きが強いです。

*ピルとカウフマン療法の違いについては、

詳しくはこちらをご覧ください。

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