PIEZO ICSIとは？
PIEZO ICSIとは、
顕微授精（ICSI）で、
卵子に精子を注入して受精をする際に、
卵子に刺す針に非常に微細な振動を与え、
卵子へのダメージを最小限に留めるという方法・技術です。
PIEZO ICSIのメリット
動いている精子が少ない、全くない場合や、何らかの受精障害があり、
体外受精（ふりかけ法、cIVF）受精ができない場合に、
顕微授精を行いますが、
たまに、通常の顕微授精（ICSI）では、
例えば、壊れやすい卵子など、
通常の顕微授精ではうまく受精できない卵子もたまに存在します。
こういった場合には、
卵子にダメージのより少ないPIEZO ICSIを用いるとうまく受精する事があります。
全ての方にPIEZO ICSIを用いる施設もあり、
非常に画期的な方法と言えるでしょう。
PIEZO ICSIのデメリット
PIEZO ICSIは、
通常の顕微授精に比べて、
出来る施設・スタッフが限られます。
それは、PIEZO ICSIで針を微細に振動させる装置が必要な事と、
技術を習得した胚培養士がいなければならない為です。
写真で見るPIEZO ICSI
↓透明帯（卵子の周りの半透明に見える層）に針を進めます。
↓透明帯に針が入っていってます。
これから卵子に針を刺します。
↓針を卵子に刺す直前に、
予め吸っておいた精子を針の先端に持ってきます。
針の先端に見える小さい点が精子です。
↓卵子に針が進んでいます。
卵子の膜はまだ破けてません。
↓ここでPIEZO ICSIの特徴である、
微細な振動を発生させます。（パルスを当てる。）
その後、卵子の膜を貫通したら精子を注入します。
つまり、針を進めて卵子の膜を突き破る形ではなく、
針に微細な振動を与えて卵子の膜に針を貫通させる形になります、
↓精子を注入したら速やかに優しく針を引き抜きます。
通常の顕微授精（ICSI)では、
卵子の膜を貫通させる時に膜を吸引させますが、
PIEZO ICSIでは、
吸引はせずに、
微細な振動で貫通させますので、
卵子には少ない衝撃と動きで済む為、
通常の顕微授精より卵子に対して優しいという事ですね。
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