子宮内フローラとは?
子宮内フローラとは、
腸内フローラ(腸内環境)のような形で、
子宮内にも、
いわゆる、善玉菌となるビフィズス菌や乳酸菌などの良い菌と、
悪玉菌(細菌など悪い菌)、
どちらにも属さない菌の3グループが存在する事がわかりました。
更に、これら子宮内の環境次第で、
妊娠率が変わるのではないかと言われています。
子宮内フローラと慢性子宮内膜炎
子宮内のこれら良い菌と悪い菌の関係は、
具体的な病態で言うと、
「慢性子宮内膜炎」の原因になり得ると言われています。
*慢性子宮内膜炎とは・・・
子宮の内膜に炎症が生じる事であり、
着床の阻害になるのではないかと言われています。
慢性子宮内膜炎を治療する事で、
着床不全の治療になる可能性があり、
研究中の分野となります。
未だ、検査方法や診断基準、
治療方法、妊娠への関係など、
解明されていない事が多く、
現段階では、医師や病院によって見解が全く異なり、
統一されていません。
子宮内フローラの検査・治療
子宮内フローラが妊娠に適した環境になれば、
受精卵が着床しやすくなるかもしれないという事ですね。
しかし、子宮内フローラに対する検査方法や、
治療方法・内容は全く統一されていません。
子宮内フローラは、概念や検査、治療の意義に、
疑念や疑問視も多く持たれていて、
意見がとても様々に分かれる分野です。
検査方法
子宮内フローラの代表的な検査方法は、
「EMMA検査」です。
子宮内の組織を一部採取し、
どのような菌がどのような割合で存在するか検査するものです。
子宮内フローラは、
子宮鏡検査でただ見てもわかりません。
検査と治療はした方が良い?
当院が検査をお勧めするかどうかという事についてですが、
基本的には、
ご本人様・ご夫婦様のご希望を優先します。
検査を受けたい方は、当院で検査可能です。
必ずしも、全員が受ける必要はないと思っております。
あくまで現段階では、
補助的な検査に位置付けられる為です。
その一方で、検査をオススメする事もあります。
少し具体的に言うと、
適切な移植方法、適した薬の使い方で、
良好胚盤胞を複数回移植しても、
妊娠が陽性にならない、胎嚢が確認できない場合です。
(ご年齢・胚盤胞の個数・子宮内膜の厚さなどにもよります。)
つまり、着床不全が疑われる時ですね。
治療については、また別の記事で詳しく書こうと思います。
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