慢性子宮内膜炎とは?検査・診断・治療法

慢性子宮内膜炎とは

慢性子宮内膜炎とは、

子宮内膜に炎症が認められる病態であり、

慢性子宮内膜炎によって、

着床が阻害されているのではないか、

という考えも出ています。

しかし、慢性子宮内膜炎に対する統一された見解はなく、

現段階では、

日本のみならず海外でも、

医師や施設によって考え方は様々であり、

慢性子宮内膜炎の定義、検査、診断、治療と、

また、これらの意義は、

どれをとっても全く定まっていません。

また、子宮内フローラや、

慢性子宮内膜炎の概念自体が、

近年になって出来たもので、

まだ臨床的なデータも少ない為、

今後、様々な検討が必要となるでしょう。

慢性子宮内膜炎の検査・診断

慢性子宮内膜炎の代表的な検査は、

EMMA・ALICE検査と、CD138検査です。

EMMA・ALICE検査は、

慢性子宮内膜炎の原因になり得る菌があるか、

また、その他の菌がどの程度の割合でいるのか、

調べるという検査です。

CD138検査は、

炎症している細胞があるかどうかみる検査です。

CD138検査で陽性となった細胞は、

CD138陽性細胞と呼ばれます。

検査も統一されたものがないのですが、

検査結果に対して、

慢性子宮内膜炎の診断基準が全くバラバラで統一されていません。

ある先生が見れば、

慢性子宮内膜炎と診断する事もあれば、

同じ検査結果を見ても、

また別の先生が見れば慢性子宮内膜炎とは言えないとする先生もいます。

その検査自体に信憑性がないとする先生もいます。

病院やクリニックによっても検査方法、診断基準は異なります。

慢性子宮内膜炎の治療

検査、診断についても一定の見解が得られていませんが、

治療についても一定の見解が得られず、

治療も医師や病院ごとに異なっていました。

ラクトフェリンなどの良い菌がいる方が良いのか、

それより悪い菌がいない事が良いのか、

どんな菌もなるべく何にもいない方が良いのか、

常に議論されてきました。

しかし、今回の研究・報告では、

今後の治療について見解を統一させるような治療内容になり得ます。

※新しい報告は、別のページにお書きします。

このページには、

今の主な治療をお書きします。

今ある主な治療法①「ビブラマイシン」などの抗生剤

今までは、

慢性子宮内膜炎が認められた場合には、

「ビブラマイシン」という抗生物質が、

第一に選択されてきました。

(※ビブラマイシンは、

妊娠には使えない抗生剤の為、

移植周期には使えません。

移植周期に入る1ヶ月前には、

飲み終わりましょう。)

また、当院では、

さらに慢性子宮内膜炎の対策・治療として、

妊娠にも使える抗生剤「ファロム」を処方しています。

慢性子宮内膜炎の診断がついた方には、

ビブラマイシンで治療もしますが、

ビブラマイシンは、

移植周期には1ヶ月空けねばいけませんので、

ビブラマイシンで一度治療していても、

移植の際には、

再発している可能性があります。

(移植周期では、

子宮内膜炎がどうなっているか、

検査できない為、

確認のしようがありません。)

この移植周期でのファロム服用は、

慢性子宮内膜炎の検査をしている方も、

していない方も、

検査をして陽性でも、陰性でも、

当院の患者様には、

全ての方にファロムをお飲み頂いております。

どの方も、移植周期には内膜に炎症が起きているか、

確認しようがないですし、

移植や採卵、人工授精は、

体の外から器具を使う為、

感染予防の観点からも、

何かしら抗生剤は飲むべきだと思います。

ファロムは、

妊娠に大丈夫な抗生剤であり、

子宮内膜炎に効果もあるため、

良いと思います。

また、薬として、

そこまで強い副作用が起こりやすい薬ではなく、

比較的に安全に服用できる薬だと思います。

今ある主な治療法②「ラクトフェリン」の内服、膣錠

ラクトフェリンがたくさんある事が良い事、

という考えがあり、

ラクトフェリンのサプリメントや膣錠を、

使うという考えもあります。

抗生剤+ラクトフェリンのサプリや膣錠を使っている事もあります。

ただ、ラクトフェリンがある事が妊娠に良いのかというと、

これも一定の見解は得られていません。

コメント

  1. […] […]

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