ダブル採卵(Duo Stim)
通常は、生理1周期につき1回しか採卵ができません。
ダブル採卵とは、1周期に2回採卵ができるという非常に画期的な方法です。
例えば、年齢が高い事やAMHが低い事で、
想像以上に採卵できなかった場合や、
もしくは、育つ卵胞(卵子が入った袋)の大きさにバラつきが出てしまって、
成熟している卵子もあれば、
成熟していない卵子があると思われる場合などに非常に有効です。
ダブル採卵では、はじめにいつも通りの順序で採卵を行い、
その後黄体期(高音期)にも続けて採卵をするという事です。
イメージとしては、
採卵した後、また数日後にもう一度採卵するイメージです。
1回目の通常の流れで採卵した時にはまだ小さく、
従来ならば諦めなければならなかった卵子を採卵できるチャンスとなります。
ダブル採卵を行う条件
①アンタゴニスト・アゴニスト法でなければならない
②卵子の成熟には点鼻薬を使う(HCGは使えない)
ダブル採卵は、アンタゴニスト・アゴニスト法という卵巣刺激法でないと出来ません。
つまり、ショート法やロング法など他の卵巣刺激法では、ダブル採卵は行う事ができません。
また、アンタゴニスト・アゴニスト法でも、
卵子の成熟の為に使う薬(トリガーと呼びます)をHCGという薬剤を使うと、
ダブル採卵は出来ません。
トリガー薬には必ず点鼻薬を使わなければいけません。
点鼻薬は、薬の名前としてはブセレリンかスプレキュアとなります。
この2つの違いは先発品か後発品の違いです。
ブセレリンが後発品となる為、ブセレリンの方が安いのでおすすめです。
このアンタゴニスト・アゴニスト法でトリガー薬に点鼻薬を使うという方法ですが、
技術的に行う事ができるクリニックが少ないようです。
受けられるクリニックが限られている
全国の患者様からお悩みを毎日頂きます。
その中で、AMHがかなり低い方や、
ご年齢が上になって来ている方から、
ぜひダブル採卵を受けてみたいというご相談を頂きますが、
かかりつけのクリニックや近くのクリニックではダブル採卵を受けられないという事をお聞きします。
ダブル採卵を習得するには、
まず、アンタゴニスト・アゴニスト法の技術と知識を取得しなければなりません。
それから、点鼻薬のみでうまく卵子を成熟させる技術と知識を習得する事が必須です。
ここでやっとダブル採卵の技術と知識を学ぶスタートラインです。
つまり、かなり経験や技術・知識が必要になり、すぐに取得できるものではありません。
ダブル採卵を受けたいなと思ったら、
まずはアンタゴニスト・アゴニスト法のトリガー薬を点鼻薬でうまく採卵している病院を探さなければなりません。
ショート法やロング法しかしていないところは、ダブル採卵は行っていないでしょう。
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