子宮筋腫の種類と検査
子宮筋腫は、
出来る場所によって、
4種類のタイプに分けられます。
筋層内筋腫、粘膜下筋腫、漿膜下筋腫、頚部筋腫です。
子宮筋腫は、ものによっては、
着床を妨げたり、
流産・早産の原因となる事があります。
また稀に、
胎児の腕や足などが筋腫に圧迫され、
胎児の奇形に繋がる事もあります。
粘膜下筋腫は子宮鏡検査でわかります。
その他3種類は、エコーでわかります。
筋層内筋腫
子宮の筋肉にできる筋腫の事です。
筋層内筋腫のポイントは、
子宮内腔(内側)に変形が見られるかどうかです。
この場合には、
大きさに関係なく手術で取り除いた方が、
妊娠には良いという筋腫が大半を占めます。
また、キノコのように子宮の内腔に飛び出てしまう筋層内筋腫もあります。
この場合には、手術をするかは要検討です。
1つの目安として、
4㎝以上だと手術しない方が良いと言われています。
それは、内腔から飛び出た筋腫の一部分、
キノコのカサのような形のところをとっても、
また同じように生えてきて戻ってしまうという事と、
筋腫自体が大きいと手術で取った際に、
子宮内膜の一部まで削れてしまうリスクが上がるためです。
また、筋層内筋腫の出来る場所によっては、
卵管の変形が出る事もあります。
粘膜下筋腫
粘膜下筋腫は、
子宮内腔の粘膜にできた子宮筋腫の事です。
子宮内腔に向かって大きくなる筋腫です。
これは妊娠のためには手術でとった方が良いケースがほとんどです。
手術の際には、
4㎝未満ならば子宮鏡下での切除が可能とされ、
4㎝を超えると子宮鏡下では取れなくなるため、
腹腔鏡下の手術が良いとされています。
漿膜下筋腫
子宮の壁の1番外側にできる筋腫です。
漿膜下筋腫は、
出来る位置によっては卵管が変形してしまうことがあり、
卵管が変形すると、
タイミング法・人工授精の場合に良くない影響が出てしまいます。
卵管の変形が見られる場合には、
体外受精にステップアップするか、
手術でとるかの選択となるでしょう。
頚部筋腫
頸部筋腫は、
子宮頸部(膣に近い部分)に出来る筋腫です。
妊娠への影響としては、
人工授精や胚移植の際に膣から子宮に入れるカテーテル(管)が入りにくいので、
妊娠しにくいこともあります。
頚部筋腫は、
出産の際に帝王切開になることが多いです。
妊娠に影響のある子宮筋腫
妊娠に影響が出る可能性のある子宮筋腫は、
4つとも影響が出る可能性はありますが、
子宮筋腫があるからと言って、
妊娠や出産に絶対に影響が出るというわけではありません。
それぞれ、筋腫の影響での卵管や子宮内腔の変形の有無や、
粘膜に出来ているのか、
粘膜に飛び出ているのかなど、
影響が出ているかを検査でよく調べたうえで判断すべきです。
子宮筋腫の治療
子宮筋腫の治療には、薬の内服と、手術の2つの選択肢がありますが、
子どもを望む場合に、
妊娠・出産に影響するであろう子宮筋腫が見つかった場合には、
基本的に手術が良いでしょう。
薬の内服の場合には、
妊娠を望むタイミングで内服を中止しなければなりません。
しかし、薬の内服をやめると、
子宮筋腫は元に戻りやすいです。
約20%は、1年で元に戻ってしまいます。
その他の場合にも、
1年以上経てば元に戻ってしまうことが多いです。
そのため、子どもを望む場合には、
妊娠に影響のある子宮筋腫ならば手術となることが多いです。
コメント