受精卵の発育過程
受精卵の発育のスピードには、
個体差があります。
今回は、
標準的な発育のスピードと、
段階ごとの受精卵の状態の解説をします。
成長の速度が基本とされるスピードに近いほど、
妊娠率は良いとされます。
0日目<受精>
一般的に、受精した日を0日目とすることが多いです。
受精した卵子の事を、「胚」と呼びます。
1日目<前核期胚>
「前核期胚(ぜんかくきはい)」と言い、
受精卵の中央に黒い丸が2つ現れます。
この2つの黒い丸は、核(遺伝子情報)です。
1つが母親由来の核で、
1つが父親由来の核となります。
この2つの核が出現することは、
正常に受精したことを意味します。
↓真ん中に見える2つの黒い丸(核)
2日目<4細胞期胚>
前核期胚から1日経つと、
1つの細胞だった胚が細胞分裂を起こし、
4つの細胞に増えます。
この状態を「4細胞期胚」と呼びます。
↓細胞が4つになり、「4細胞期胚」となる。
3日目<8細胞期胚>
4細胞期からまた1日経つと、
細胞分裂を起こして細胞が増え、
8細胞になります。
この状態の胚を「8細胞期胚」と言います。
「初期胚(しょきはい)」というのは、
この3日目8細胞の胚を指す事が多いです。
↓細胞が8つになり、「8細胞期胚」となる。
4日目<桑実胚><コンパクション胚>
8細胞期胚から更に1日経つと、
「桑実胚(そうじつはい)」と言い、
細胞が数え切れないくらい無数に増え、
そのつぶつぶとした見た目が桑の実に似ている為、
桑実の胚と名付けられています。
↓沢山の細胞が一塊になっています。
5日目<胚盤胞>
受精から5日目になると、
沢山の細胞達が、
胎児になる細胞(ICM)と、
胎盤になる細胞(TE)に分かれます。
この状態を「胚盤胞(はいばんほう)」と呼びます。
胚盤胞まで育った受精卵が最も妊娠率が高く、
1つの目安として、
卵子の質が良い=胚盤胞に到達すると考えて良いです。
↓胚盤胞に育った受精卵。
動画で成長を見る<タイムラプス>
受精から胚盤胞に到達するまでの47秒の動画です。
〔動画の目安〕
・4秒 前核期
・9秒 2細胞期
・14秒 4細胞期
・25秒 8細胞期
・37秒 桑実胚
・41秒 胚盤胞
・45秒 胚盤胞のハッチング(孵化)
・最後 胚盤胞の脱出(着床に向けて脱出)
※孵化と脱出については、また別のページで詳しく解説いたします。
当院では、受精卵の発育の動画のお渡しのサービスを行っております。
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